sigureの記<Novel>

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<<   作成日時 : 2005/06/25 02:30   >>

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好きな音楽は?っと聞けば、ドビュッシーの「月の光」と答え、好きな作家は?っ
と聞けば梶井基次郎と答える。好きな映画監督は?っと聞けば、ゴダールと答
え、好きな色は?っと聞けば、ネイキッドブルーと答える。
私はこんな彼のどこが好きなのだろう?
見た目は平均より少し上なのかもしれない。でも、私が惹かれた理由は、彼の
容姿ではない。おしゃべりで私を楽しませてくれるわけでも、スポーツが得意で
私に手解きをしてくれる訳でもない。はたまた、趣味が合う訳でもない。
考えれば、考えるほど、頭の中はクレッションマークで埋め尽くされていく。
でも、趣味が違えど、考え方が違えど、彼と一緒にいることは苦痛ではない。
そして、ある時気がついたのだ。それもファミレスで食事をしている最中に。
食後にデザートが運ばれてきた。私はティラミスを、彼はアップルパイを
それぞれ注文していた。彼はフォークとナイフを両手に持つと、優雅な手つきで
アップルパイを一口サイズに切り取り、仕上げにアイスを乗せ、私に取り分けて
くれた。私が頼んだ訳でも、食べたいと口にした訳でもなかった。でも、内心、
ティラミスかアップルパイ、どちらを注文しようか悩んでいたのは確かだった。
そんな私の心を察したかのように、彼は私にアップルパイを注文し、取り分けてくれた。
そうすることが当たり前で、自然な行動のようだった。思い起こすといつもそうだ。
彼の優しさはいつも自然で、私がいつも見落としてしまいそうになる。それに気が
つかなくとも、彼は全く構わないのだ。いや、この人は意識すらしていないのかも
しれない。
私はこんな彼のどこが好きなのだろう?
そう自分に問いかけた時、私は彼の優雅なフォークとナイフ捌きを思い出す。
彼の優しさが、そこに凝縮されているからだ。

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